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・ シルクスクリーン



シルクスクリーン工房Mesh 平川厚信さん
1954年、熊本県生まれ。

「シルクスクリーン」とは、木枠にスクリーンメッシュを張り、
その細かい織り目を通し、平らなゴムベラを使って絵の具を紙に刷り込む
孔版印刷のひとつ。他の印刷技法では難しい曲面印刷や、
布やガラス製品、様々な素材にも印刷することができます。

30歳の時に友人に誘われこの世界に入った平川さん。
独学で技術を学び、12年前に独立。
シルクスクリーン材料の卸会社として、以前からお付き合いがあった
垣波商会さんの奥を間借りして始めました。
現在では、主婦の方からデザイナー、イラストレーター、作家さんなどが
ふらりと立寄り平川さんに相談したり、いろんな素材に作品を刷っていく
そうです。その表現手法は無限大。
月に2度の教室も開催、いくつかの障がい者施設ともタッグを組み、
作品作りのお手伝いもされています。



□熊本出身の平川さん、
福岡と熊本の街の違いはどんな点にありますか?
「私が育ったのは、熊本のすんごい田舎でしたから
歩いてる人みーんな顔見知りですよ。
ここ(博多)で仕事をしていると、
地の人間とよそから来た人間という違いはやっぱり感じますね。
山笠にも誘われるけど、やっぱり地元の人の祭りだと感じます。
このへんの人は山笠が一年のまんなかにあって、その間は準備期間。
仕事はその次じゃないですかね」

Meshさんの工房がある通り(旧東通り)は、山笠も通るし、
博多っ子御用達の飲食店が並びます。
担々麺の「しまや」、うどんの「みやけうどん」など、
博多で愛される食べ物やさんが多い通り。
また、少し行くと御供所通りに入ります。
御供所は「寺町」といわれるくらい寺院が集中している場所。
日本で最初の禅寺である聖福寺などもあり、
普段から法螺貝が鳴ったり、托鉢のお坊さんが歩いています。
その通りから1本出た大博通りは
車が絶え間なく走り、企業も立ち並ぶオフィス街です。
古いものと新しいものが共存する街。
そういう街の在り方が違和感なく今も続いています。

ちなみに、
山笠の時期になると、垣波商会の社長は法被姿(はっぴすがた)で
仕事をされているそうです。それがこの時期の正装だとか。
山がはじまると、工房周辺には詰め所ができ、山のある期間には男衆が集まり、
ごりょんさんによる直会料理(なおらいりょうり)を
いただきながらの会議&飲みごとが続きます。
「不思議なところです、
でもうらやましいですよね、そういうの」と平川さん笑っていました。

□Q、1日の流れを教えてください。
朝来てから、まず珈琲を飲みながらパソコンのぞく。
(コーヒが好きなわけじゃないそうです)
そして、刷り始める。
1日の大半を工房で作業をしているので、
外に出るのはお昼ぐらい。
平川さんおすすめの「みやけうどん」は、
シルクスクリーン教室の生徒さんのコースの一部にもなっているそうです。
忙しかったら24時ぐらいまで作業することもあります。

□座右の銘
なんとかなる。

取材を終えて。
平川さんの体格から判断して、
福岡出身で7月になると山笠を「えいさー」と
担いでおられるのであろうと思ったら、違っていた。
しかも幼少期は、身体が小さくて困っていたという。
人は見かけにはよらないものだ。
博多の街も一歩入ると、
見かけにはよらない「街」になるなーと思った。

※垣波商会…スクリーン印刷、シルクスクリーン材料販売等を行う。
※みやけうどん…博多うどんの名店。創業は昭和29年。コシが弱く柔らかい麺と
ダシがきいた汁が特徴。
※しまや…福岡で担々麺と言えばここ。お昼は行列が出来ます。
※詰め所…山の男衆が集まる場所。関係者以外立入り禁止。
※ごりょんさん…商家の奥さん
※なおらい料理…神酒・神饌をおろしていただく酒宴


□シルクスクリーン工房Mesh
福岡市博多区上呉服町2-24 垣波ビル2F
092-262-5531